全5回にわたり『人に困らないための知識』と題し、Q&A方式でお伝えしております。
《セイファート顧問社労士監修》
第一回「時間外労働」に引き続き、今回は「最低賃金」についてです。
【第2回】最低賃金について
貴サロンの都道府県の最低賃金はいくらですか?
最低賃金とは・・・
最低賃金法に基づき、国が定めた賃金の最低額を定めた制度のことです。
都道府県ごとに地域別最低賃金が定められており、
その都道府県で働く全ての労働者(パート・アルバイト、外国人含む)に適用されます。
毎年10月頃に改訂されています。
Q. 東京の最低賃金は 今いくら?
A. 東京都の最低賃金は1,041円(時間額)です。
神奈川県は1,040円、埼玉県は956円、千葉県は953円
また、愛知県は955円、大阪府は992円になっています。
(2022年1月現在)
💡パートさんの時給は、下回っていませんでしょうか?
法律に基づいた制度になりますので、
労働者と合意の上で最低賃金額より低い賃金を決めたとしても、
法律によって無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
ちなみに、月給の場合の確認のしかたは
月給÷月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)で確認します。
※この計算に、通勤手当や賞与、時間外休日手当等は含まれないので注意が必要です。
※「月平均所定労働時間」とは?
所定労働時間(雇用契約上勤務しなければならない時間)の年間合計を12で割り、
1ヶ月あたりの平均所定労働時間を算出したものです。
・最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
地域別最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった場合、50万円以下の罰金が課されることがあります。
・ハローワークで求人を出せなくなる
・求職者から就職候補に選ばれなくなる
などが考えられます。
いますぐできる事は?
✔ 定期的な給与体系のチェック、見直し
最低賃金は毎年10月に見直される可能性が高い為、最賃割れを起こしていないか、定期的にチェックする必要があります。
✔ 勤務時間等の管理の徹底
勤務時間・給与・生産性の管理をきちんと行なう。
給与体系や求人内容の見直しによって生じやすい既存スタッフとの不平等感を避けるためにも、
日々の労働時間等の管理・記録が重要です。
✔ 最新の情報収集に努める
社労士をつけるまでは難しくても、インターネットなどで積極的に情報収集をする、
知識や情報交換ができる繋がりをつくっておくなどが大切です。
上記のような日々の取り組みは、
「人に困らない」サロンを作る過程でとても重要と言えるでしょう。
次回は「社会保険」についてお伝えします!
パートさんでも加入義務が発生する場合があるのはご存じですか?
その他人材に関するお悩みは
《参考URL》
厚生労働省HP 最低賃金制度とは
厚生労働省HP 令和3年度地域別最低賃金改定状況
厚生労働省HP 最低賃金額以上かどうかを確認する方法